陶磁器の絵付け技法を現代的に再解釈し構成した作品群が「LAYER」シリーズである。陶磁器で原料を最大限発色させるには焼成温度を色、原料ごとに変更する必要がある。オブジェクト上に加飾するデザインをデジタル上で実際の焼成温度ごとにレイヤー分けをする。
現代的且つ2次元的に作成した図案を陶磁素材へと反映させる。そのプロセスによって生まれるテクスチャーは古来より存在する伝統素材に現代技法を記録することを可能とした。
この「layer」は、デジタル上で配置した図案を作者の手仕事によって均一かつ平行垂直に描いているが、焼成のプロセスを経ることで平らだった磁器は歪み、丁寧に着色した線も縮れたり色が飛んだりしている。長期的に形を残し得る陶磁器素材によって、紙もデータもいつかは消えてしまう記録の「脆弱性」を表現している。
サイズ:H25 x W25 x D5 cm
額装:あり
制作年:2022
エディション:1点物